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クローズEXPLODE(エクスプロ―ド)のhilockのレビュー・感想・評価

4.0
主演の東出昌大が、豊田監督作品に惚れたから出演快諾したと、コメントを発していました。近日見てみます。前作のヒットから得たものを、より深く落としたのが本作である。主人公はてっぺんを取ることに懐疑的で、群れることを知らない。そんな退学身分の男が転向してくるところから始まる。この作りは西部劇(クロサワ風時代劇)の一匹狼の要素であり、素浪人のような趣さえ感じる。
孤独、拳闘の虚しさ、愛を知らない主人公の心の蟠りという構造は、前二作には全くないものでそれだけでも、その分だけ人物に傾倒しやすい。前の高校を退学した時に、辛い経験(拳が血に汚れる=親父の死)が呼び戻されるあたりが、描写のみで描かれるため、この辺りが好まない(理解できない)人が多かったのかもしれない。主人公の内面、若人なりの悩みや感傷的なものは、本作では要らないということかもしれないが、それでは鑑賞中の主人公には傾倒できないし、 作品のメッセージ性も下げてしまう。前作は剃り込みの拳が、喧嘩の補佐役として源治をサポートしていたが、今作は敵対する加賀美の方に回る。 zeroファンにとっては喧嘩の鈴蘭で、てっぺんを目指さないことに疑問視している評価も多いが、本作は前二作のアンチテーゼとも取れる。前作の源治のがむしゃらな生き様と不器用さを全面に出してた前作と、悲壮感=黒=クローズとすることで、カラスたちの違ったキャラクター性を深くすることができたのではと考える。共演は、勝地涼、柳楽優弥★★★★冒頭の鈴蘭登校初登校、鏑木の正拳に、身震いを覚えたのは私だけでしょうかね?、あのシーンは『用心棒』の腕を一刀斬りするシーンに等しいだけどなー。 
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