ShinMakita

パッションのShinMakitaのレビュー・感想・評価

パッション(2012年製作の映画)
1.8
広告代理店コッチ・イメージ…ベルリン支社長のクリスティーンは、新製品スマホのプロモビデオの作製に頭を悩ませていた。そこに、部下イザベルがアイデアを出し、重役たちへのプレゼンが大成功に終わる。クリスティーンはアイデアを自分の物として報告し、社長からの賛辞を独り占めしてしまうが、イザベルは怒ることはなかった。美しく優しいクリスティーンに親愛と憧れの情を抱くイザベルは、クリスティーンがいつか自分を引き立ててくれると信じていたからだ。しかしイザベルがさらに仕事でヒットを飛ばすと、クリスティーンは密かにイザベルに憎悪を抱く。イザベルの彼氏ダークに圧力をかけて別れを強要、さらに職場の同僚の前で恥をかかせるなど陰湿なイジメを繰り返すクリスティーン。耐えに耐えたイザベルはやがて限界に達し、ついにクリスティーン殺害を決意する…



「パッション」


美人で善良というイメージが強いレイチェル・マクアダムスと、ヨーロッパの根岸季衣こと、ノオミ・ラパスがレズっぽい愛憎関係に陥るサスペンス。フランスの名匠コルノー監督の遺作をリメイクした作品です。 デ・パルマの世界観を熟知したピノ・ドナッジオがスコアを書き、防犯カメラ・POV映像といったお得意の小道具も盛り込み、いつものデ・パルマ・タッチも健在です↓

1:ディープフォーカス
……ダークの部屋でイザベルがエッチした後、スカーフは俺のだ、みたいな話するカットで使用してました。

2:天井俯瞰
……イザベルが寝ているシーンや、ランチ中にダニのカップに薬を落とす場面他、多用してました。

3:主観カメラ
……これも結構たくさん使われました。尋問を受けるイザベル、そして殺害場面の犯人目線など。

4:のぞき/防犯カメラ
……スマホ時代になって、盗撮シーンがやたらと登場。駐車場の防犯カメラなんか、デ・パルマが大好きな装置ですよね。

5:階段
……「めまい」フリークゆえに、階段は大事な要素。刑事がイザベルに会いに来るシーンで、お約束の階段が登場します。

6:スプリットスクリーン
……今回の白眉は、バレエと惨殺のスプリット長回しです。とにかくシツコい!一度単画面に戻ってからのスプリットは、もはや笑いの域でした。



他にも…スプリットスクリーン+犯人目線の一人称カメラ、夢オチ、長回しなど、デ・パルマの具全部乗せ状態(笑)。21世紀になってもやはりブレていなかったデ・パルマ大先生に敬礼です!
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