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パッションのnorisのレビュー・感想・評価

パッション(2012年製作の映画)
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#パッション

2010年に急逝したアラン・コルノー(「インド夜想曲」の監督)の「ラブ・クライム 偽りの愛に溺れて」という遺作のリメイクで、脚本は基本的に変えず、結末も同じらしい。「デ・パルマが久々にサスペンスに回帰した」と評判になった。

ところが、おなじみピノ・ドナッジオ(「キャリー」「殺しのドレス」)のスコアを背景に長回し、画面分割、夢オチ、ドッペルゲンガーと往年のデ・パルマ節がてんこ盛りにもかかわらず、その「映像美」にすんなり酔えないようになっていて、というのも演出が不可解に観客をはぐらかすからだ。これは「誰が犯人かわかりにくくするため」とのことだが(デ・パルマ談)、ブニュエル的に「信用できない映像」が延々と続き、しかもファーストカットからレズビアン要素を入れていて、主人公のセクシュアル・プリファレンスもよくわからないまま終盤を迎える。

もともとが「精神衰弱を偽ってわざと自白した後でそれを翻して無実の証拠を警察に見つけさせる」という裏をついた展開の脚本なので、誰がどういう感情を持っているかがはぐらかされ続けるのには、ちょっとストレスを感じた。

金髪の#レイチェルマクアダムス をクリスティーンに、黒髪のノミオ・ラパス(そもそもこの女優を起用するのがおかしい)をイザベルに、というコルノー版(イザベルがリュディヴィーヌ・サニエ、クリスティーヌがクリスティン・スコット・トーマス)と逆のキャスティング、そして唐突な「クリスティーンの双子の姉」の登場など、いまだにデ・パルマは「めまい」を忘れられないようなのである。

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監督・脚本 - #nrtブライアンデパルマ #BrianDePalma
オリジナル脚本 - #nrtナタリーカルテール、#nrtアランコルノー
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