Ryu

再会の街でのRyuのレビュー・感想・評価

再会の街で(2007年製作の映画)
3.7
ニューヨークで歯科医院を営み、妻子にも恵まれているアランはある日、9.11で家族を失った大学時代のルームメイトのチャーリーと再会する。

悲しみの感じ方、その解決方法は人それぞれであり、誰もがこれが良いと思うことでも当人にとってはそうでないこともある。なんとも難しいテーマだと思いました。どうすることがその人のためになるのか。
どれだけその人のことを想っての行動でも、逆効果になることだってある。それを今作のアランを見て学べました。だからこそもどかしくなります。アランもチャーリーを助けたいと思っているし、チャーリーだってアランとの友情を壊したくはない。チャーリーは深刻な状態だけど、それに折れずに付き合い倒すアランには尊敬を覚えました。どうすることが正解ってことも大事かもしれないけど、何かを無理に変えようとはせずに寄り添い続けることも大切なんだなぁと思いました。
コメディ作品のイメージが強いアダム・サンドラーですが、今作のようなシリアスな演技も見事でした。ドン・チードルもすごく安心感がありました。彼らの友人として過ごしているのが非常に微笑ましいかったです。
チャーリーが「ワンダと巨像」というゲームを黙々とプレイしていますが、これにはゲーマーとして反応しちゃいます。ゲームってどこかこう現実逃避できるところがあるような気がします。これは映画などの映像作品も然り。現実味のあるものも多数ありますが、自分の現実ではありません。今自分が生きている現実から離れられるのが心の休息になるのではないかと思います。
音楽も印象的でした。70年代~80年代くらいのものが多く、映画の原題もザ・フーの曲名だそうです。
ラストの小さな希望を見せてくれる感じもイイ終わり方だったと思います。
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