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再会の街でのtulpenのレビュー・感想・評価

再会の街で(2007年製作の映画)
4.5
寡黙なアダム・サンドラーが絶望と孤独の中で生きていかなくてはならない人間の哀しみを繊細に演じていました。

9.11テロで妻子を失い、
自分の殻に閉じこもってしまった男(アダム・サンドラー)と、
彼の大学時代のルームメイトで仕事も家庭も恵まれた生活を送りながら満たされないものを感じていた男(ドン・チードル)
そんな2人がニューヨークの街で偶然に再会し、
再び友情を育んでいく…… 。

時々、
「どん底までいったら、あとははい上がってくるだけだから がんばって!」な~んて誰でも言うようなことをメモを読むように言う人がいるけど
そういう人は<どん底>に辿り着いた後に<横ばい>という状態があるのを知らない。プールの底にお腹を擦るほどに深く潜水して進んでいくと水上に上がっていくのにとても時間がかかり急には浮上できない、ゆっくりゆっくり緩やかにしか上がれないのでとても時間がかかるのだ。


チャーリーの言った「街で見る女性と子供と犬が、みんな自分の妻、自分の娘、自分の飼い犬に見えてしまう」という台詞に泣きました。


静岡シネギャラリーにて。
2008.3/30(16) 通算1071
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