her/世界でひとつの彼女のevansのネタバレレビュー・内容・結末

「人間とはなにか」ということをテーマにしている映画。感情を持つから人間なのか？体があるから人間なのか？そんな誰もが持つような疑問をaiと共に考えていくようなもの。
このテーマはこれまでのブレードランナーやエクスマキナと同じようなものだが、これら2つとは違いaiと恋愛という未踏の地に対してのアプローチによって唯一無二のものになっている。人間の本質的な部分には男女関係があり、その模様を追うことで人間についての考察に回帰している。
映画全体を通してずっと独特な色使いで、奇妙でふわっとした雰囲気が感じられる。これはaiに対する違和感、疑問という心情とマッチするように作られている。
肉体を通さない、つまり性欲を用いない恋愛という無償の恋愛を描いており、これにはとても感動した。特に途中の別荘でのシーンは涙腺に応えた。だがそれと同時に、身体がない人に恋をするという、人間の本能に反するような行動を奇妙にも感じる。
まだ1回目の鑑賞のため、全てを理解しきることは難しかったが、映画全体を通して一貫性があり、深いメッセージを感じる良い映画。