《モラトリアム》
大人になるまでの猶予期間。社会へ出るまでの猶予期間。
過ぎていく日常の中で、身の丈に合った小さな成長の物語。なので刺激もない。
例えばこれを見て、私も頑張ってみよう、と思う人は少ないかも。
それでも小さなきっかけで、ほんの少し何かが変わっていく。人生、そんなものなんだと思う。
漠然と何か今を変えたい、でも何をしたらいいか分からない真剣な孤独の中で、思いついたのが芸能界。この浅はかなタマ子を私は笑うことはできない。自分のダメさも痛いほど分かっていて、でも自分の何かに期待もしてしまう。諦めと期待の間で立ち往生するこの時間の無駄使い。まさにモラトリアム。
私は好きだったけど、好き嫌いが分かれる映画かなと。