このレビューはネタバレを含みます
主役の少女があまりにも画面映えする。
この子がアップになると見とれてしまうくらいの可愛らしさ、そこに刺す青白い病的な陰など、とにかく画面映えがハンパない。
若干10歳でコレはなんなんだ、もうロリロリやないかと思いながら観ていたが、かのダコタ・ファニングの妹で、「ネオンデーモン」のエル・ファニングだった。
至極、納得。
その安定感たるや、間を持たせようとやたら騒ぎ、喚き、もぞもぞしたがる邦画のテレビ俳優とけた違いだ。
映画の大画面に耐えうる強い顔だちというのは、いつの世代にも出てくる。
内容としては「難病もの」になるのかもしれないが、これから続いていく彼女の長い人生を、病と共存していく幼い芽生えを肯定的に描いているため、ラストも爽快。
邦画に腐るほどある、貧乏臭いお涙偽善物語にはなっていないのがいい。
時折、主人公がかいま見る幻覚のアリス世界もCGではなくローテクな、テリーギリアムを彷彿させるモノであるのも現実との境界にいる少女に寄り添った表現のようで良かった。
内容も理解してないゴテゴテしたジャケットに損してるが、とにかくエル・ファニングしか勝たん良作だった。