ぐっない

フィービー・イン・ワンダーランドのぐっないのレビュー・感想・評価

5.0
フィービーは9歳の女の子。想像力豊かな彼女には、7歳の妹と、作家の両親がいる。フィービーは学校のルールや普通だとされていることに馴染めず、問題行動を起こすようになる。そんなとき、変わった先生のつくる「不思議の国のアリス」の演劇でアリス役を務めることになる。フィービーは現実の世界から不思議の国へと迷い込むようになる。あっちには、希望があるのだと。



私にとっての秘密基地みたいな映画。初めて観たのは10歳のときだった。可愛らしいパッケージに惹かれて借りて、夜にひとりで観て驚いた。想像していたのとまるで違って。めそめそ泣いたのを覚えている。


9歳の女の子が自分がわからないのって泣くのを観ながら私も泣いていて、たぶん10歳の私が観たときよりも彼女と同じだと思った。あれもこれも拾って描いてくれるから、ずっと涙が止まらなくて、でもきっと、私何歳になってもこの映画を観て泣くんだろうなって思った。大人になっても親になっても。
フィービーのママもパパも苦しい。妹だって苦しい。女王役の男の子だって先生だって。子供騙しの映画じゃない。全部、全員分、ちゃんと拾ってくれてる。こんなにやさしいから、涙が出る。ぜんぜん観てる人いなくて、評価もまあまあで、でもそれさえ嬉しい、私はずっとずっと大好きだし、ずっとずっと大切にする。言いたいこと全部この映画の中にあっていちいちメモしてたけどあまりに多くてやめちゃった。この映画があるからいいや。

最後のフィービーの視線、私ずっと忘れないよ。
'' You, who are you? ''
ぐっない

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