めしいらず

リヴ&イングマール ある愛の風景のめしいらずのレビュー・感想・評価

2.7
世界最高の映画作家の一人だと高く評価され続けるイングマール・ベルイマン。彼とかつての恋人であり多数のベルイマン作品に出演した女優リヴ・ウルマンが、出会いから蜜月、諍い、破綻の先の友情関係を回顧するドキュメンタリー映画。彼女の出演作品の断片、当時のオフショット、現在が交錯して描かれる。ベルイマンは何人もの出演女優たちと懇ろになったそうだけれど、彼女らは不思議と関係破綻した後にも彼の映画に出演し続けており、ウルマンもまたその一人であった。エゴイストな側面ばかりでなく、それを凌駕する魅力的な顔も併せ持つ人柄だったのだろう。ベルイマン作品への出演歴が女優としての価値を高め世界の映画市場でどれほど重宝がられるかをウルマンは別離後に目の当たりに(彼についての質問ばかりされるのに辟易したのも含め)したことを語っていてなるほどと思った。ベルイマンすでに亡き今、二人がかつて暮らした家の中で、彼女が蜜月の頃に彼に宛てた懐かしいメモ書きを見つける場面。40年の時間を経て二人が再び出会い直したかのような感慨がとても良かった。
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