Koshii

ロスト・ボディのKoshiiのレビュー・感想・評価

ロスト・ボディ(2012年製作の映画)
3.6
ずっと前からクリップしてた作品!

サスペンス系の映画の気分が続いておりまして!!


ある夜、遺体保管所から一体の死体が消失した。呼び出される警察と親族である夫。

誰かが持ち去ったのか?

リビングデッド、独りでに抜け出したのか?

遺体保管所から場面は動かないのだけれど、パーツは少しずつ集まり、この事件の真相が明らかになっていく。死体消失のフーダニット、ハウダニット、ホワイダニットが繋がるとき、私たちは戦慄する。


以下、ネタバレを含みます。













いわゆるワンシチューエーションもので、小出しにされる情報によって、全体像は二転三転していく。死体が何故消失したのか?から、何のために消失させたのか?に変わり、一体誰が?というアレックス目線で始終を追っていくことになるのだが、そこには、いくつかの事件が絡まっていてという展開。

全ては、ハイメ警部によって仕組まれたもので、殺された妻のための復讐劇。というオチ。

引き込まれる2時間でしたが、そのオチにはやや納得のいかない部分もあり、、

ハイメ警部の個人的な怨恨によって、娘を利用してアレックスを探らせた。事故を自白させるために、体の関係まで結ばせたのだが、殺したいほど憎んでいる男と、自分の愛娘をそんな風にさせられるか?という感情になった。

そして、夜警のトレスを危険な目に合わせた挙句、生死を彷徨うような事故に巻き込ませた。

こんな、人としての生き方を捨てられる、自分の復讐のためだけに動くような人物が、まだ保身を気にしていることが不思議であった。私怨がハイメ警部を突き動かしていて、自分の復讐のためなら、犠牲が出てもいいと思っている彼に、もはや警部としての資格は無く、それでも法でアレックスを裁くことに固執していることが矛盾しているように感じられた。

ここまで大掛かりな芝居を打つ必要はあったのか?と、死体を消失させる意味はそこまであったのだろうかと、堂々巡りのような考えに至る。



もし、カルラが不審死を遂げた時、その死体は消失するかも知れない。

この世界の住人なら、夜警のトレスは復讐のため、喜んで彼女の死体を消すだろう。


p.s.終わり方は好きでしたよ!!
立つ鳥跡を濁さず的に、「チックタック!」というセリフはね!!
Koshii

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