あなぐらむ

赤線本牧チャブヤの女のあなぐらむのレビュー・感想・評価

赤線本牧チャブヤの女(1975年製作の映画)
4.1
白鳥信一版「赤線地帯」な一作だが、場所を横浜・本牧の娼館(チャップ・ハウスが語源とも)にした事で、異国情緒ある作品に仕上がっている。
正月番組らしく、豪華な出演陣(片桐夕子、山科ゆり、芹明香、絵沢萠子、二條朱美に主演のひろみ摩耶)に加え、ナレーションには初井言栄!な布陣。
女郎ものも青春純愛映画にしてしまうのが流石、白鳥信一。

白鳥監督はノー残業監督と言われたりしたが、会社の要求する商品を過不足無く作り、かつどの作品も観た後、嫌な気分にならない語り口の軽妙さ、インサートカットの的確さ、何よりも大切な女優を綺麗に撮る術を持つ人だ。この後、原悦子というぴったりな逸材を得る事になる。ロマンポルノを支えた人である。成田尚哉さんの信頼も厚かったという。

ひろみ摩耶は破格のダイナマイトボディで絡みも濃厚に見せ、作品の屋台骨を支えている。また、片桐夕子と山科ゆりはキャラ被りしている所があるのだが、劇中エピソードとして生かされているのも面白い。