爆裂BOX

アサイラム 狂気の密室病棟の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

3.1
父と兄を自殺で亡くすという悲しい過去を持つマディソンは、トラウマ克服のため、兄の通っていた大学の学生寮に入寮する。だが、そこはかつて子供達に非人道的な実験を行っていた精神病院で…というストーリー。
「デッドコースター」や「セルラー」、「スネーク・フライト」のデヴィッド・R・エリス監督によるオカルト風味のスラッシャー。
学生寮が元は恐怖の実験が行われた精神病院と知った新入生たちは、まだ改築をしてない建物に入り肝試しをするも、患者の暴動で殺された博士の怨霊を蘇らせてしまい、一人、また一人と殺されていくという内容です。
このタイトルやジャケだとサスペンスホラーっぽいですけど、中身は学生達を亡霊が次々殺していくというスラッシャーで、ノリ的には「エルム街の悪夢」的な感じかな?
登場人物もトラウマ抱えたヒロイン以外はイケメン、ジョックス、オタクなハッカー、セクシー系のブロンドにラテン系と青春物ではお決まりな感じのキャラですが、そんなかれらもトラウマや心の傷を抱えているという設定です。リメイク版「13日の金曜日」やドラマ「ラストシップ」のトラヴィス・ヴァン・ウィンクル演じる元デブのお調子者マッチョがいいキャラしてたと思います。常に下ネタ言ったりちょっとウザいけど悪い奴じゃなく憎めない感じが良いですね。また、亡霊医師が見せる幻覚の中でリン・シェイも登場します。
彼らを襲う亡霊バーク医師は、生きてた時からイカレてて、両目に太い梁ぶっさすロボトミー手術で多くの患者に障害残したり殺したりしてて、患者の反乱で自分が目に針刺されて殺されますが、そんな彼が復活し、過食症やDV、性的虐待などの学生達が抱えるトラウマを抉り出し殺していきますが、そこまでトラウマ上手く活用できてる感じはなかったな。バーク医師もフレディみたいに喋りかけながら殺していきますが、フレディ程圧倒的な個性はないですね。実体化しててこっちの物理攻撃も効くのでほぼモンスターな感じ。でも、最後主人公達追い掛ける時に上半身の服脱ぎ捨てて有刺鉄線体にまいたSMボンテージっぽい変態ファッションは面白かったかな。
頭部スライスしたり舌切り取って唇切り取ったりしますが、そこまで印象に残るグロ描写もなかったですね。
緑や黄色、赤の原色を活かしたライティングが所々で使われてるのはアルジェント意識してるのかな?
ラストの決着は自殺したヒロインの兄が助けてくれるのかと思ったら普通に物理攻撃で倒しましたね。CGは安っぽいけど、バークに殺された被害者達の魂がバークから解放されていく所は良かったですね。
ヒネリはないし一本調子な所ありますが、ホラー映画好きならそこそこ楽しめるんじゃないでしょうか。