2つの短編『楽しい川辺』と『スリーピー・ホロウの伝説』によるオムニバス作品。全く毛色の違うストーリー2本仕立てである。
『楽しい川辺』は、教訓じみたところのある作品である。主人公のトード氏は派手好きで飽きっぽい性格である。その結果、彼の元には請求書ばかり届いて、彼の友人で会計係も務めるマクバジャーは、ほかの友人たちと協力してトード氏を家に閉じ込めるが…。
呑気に馬を走らせ馬車に乗るトード氏。ほぼ90度くらいに見えるデフォルメされた坂をも楽しそうに登っていく。しかし現実はそう簡単にはいかなくなる。尺が短いなかでも、トード氏を含めそれぞれのキャラクターの個性が際立っている。アクションシーンにハラハラし、友情にぐっとくる作品。
『スリーピー・ホロウの伝説』は、残酷で不思議なストーリー。特にその残酷さは、数あるディズニー作品のなかでも随一な気がする。
ビング・クロスビーがナレーターも含めて全ての声をつとめている。
彼の美しい歌声にのせて、おとぎ話が進んでいくというだけでも、なんて贅沢なんだと感じる。
ディズニーらしからぬ?ストーリー展開に、驚きを隠せない。
それぞれ全く違うストーリーではあるが、ある種夢のような話という点では共通していると思った。