こーじ

何食わぬ顔のこーじのレビュー・感想・評価

何食わぬ顔(2003年製作の映画)
3.9
濱口竜介が東大在学中に撮った映画。濱口竜介作というフィルターありきなのは承知だが、楽しめた。学生映画らしい粗っぽい絵は意外と気にならず、それどころかサッカーのシーンや、タイトルクレジットの電車のシーンなど、センス溢れる映像を楽しめた。しかし、声は慣れるまで時間がかかった。アテレコで、それがズレていたりするものだから違和感が凄い。それも少しずつ慣れてくると、濱口竜介らしい会話劇が徐々に楽しめてくる。
「夏めくの次はナツメグだって」
「ちゃんと悲しんでいるよ。でも、俺の悲しいって、本当の悲しいじゃないのかなぁ」
「俺を見下す人が好き。そういう人をあっと驚かせたい」
この手のセリフが来ると、濱口作品見てるなぁ、とジワジワと喜びが湧いてくる。

濱口竜介の乱暴な役も意外と似合っていてグッド!
そして、何より石井理絵さんが非常に可愛らしくて、その容姿には似合わないハスキーな声も相まって、魅力的でした。この人は東大のサークル生なのか、それとも女優の卵なのか、というどうでもいいことが少し気になってしまった。
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