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何食わぬ顔のstay9oldのレビュー・感想・評価

何食わぬ顔(2003年製作の映画)
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正直なところ、こんなに荒い映像の作品を映画館で観たのは初めて。


まさに「荒削り」な作品。
それでも、この地点でしっかりと「会話劇」として作品が確立されているのはやはり才能なんですかね…すごいな。


野村くん(弟)の語り口が個人的にとてもしっくりきたというか、心地よかった。
彼の表情こそが「何食わぬ顔」という解釈で良いのだろうか。

兄を亡くした当事者であるけれど、
兄の撮っていた映画を撮ることに巻き込まれるかたちで関わっていく。
やる気があるのかないのかいまいち伝わりづらい。

それでも、彼は彼なりに「悲しんで」いるし、「考えて」いる。



暗闇の中のサッカー
「大事なのは大人じゃなくて、俺たちみたいな若い奴らだろ」

羽田空港の展望デッキでの会話
「好きな男の子、女の子はどんな子?」

競馬場で交わされる学生時代の思い出、宮崎くん

映画内での遠藤さんへの突然の告白

瀬田さんと野村くん
忘れられるフィルムとサンドイッチ


突然走り出す野村くんとエンドロール



京急のモノレールは一時期ほんとうによく使っていた路線だったから、観ている映像がなんだか日常の延長線上の出来事のようで(競馬場には行ったことないけど)まるで知り合いの語る話のようで、とても身近に感じられた。
ノンフィクションのようなフィクション。
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