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何食わぬ顔の&yのレビュー・感想・評価

何食わぬ顔(2003年製作の映画)
4.5
【2014/3/8:オーディトリウム】
処女作ですでに「濱口竜介」過ぎる作品。
映画制作の諸々をドキュメンタリックに映した前半と、制作した映画本編の後半からなる構成…と聞いて同監督作品である「親密さ」のベースかなと思いましたが、どちらかというと「PASSION」5秒前、みたいな印象を受けた。
「あの時なんであんなこと言っちゃったんだろう」とか、「私の態度にあの人は相当傷ついたはずなのに普通の顔してた」とか、「あの日を境に彼らは“私”という人の捉え方が変わっちゃったに違いない」とか、10年経っても20年経っても時折思い出してはうわああああああーーーーーと叫び出したくなるイヤ〜な瞬間が詰まっていて、その生々しさによる動揺とブレまくるカメラがリンクして本気で吐き気(褒め言葉です)。
本作の前半と後半を並列して思う、現実と虚構(映画)の関係性。自分ブランディングを仮想的にでも実現しようと、必死な自己演出に縋る現実と、冷静に俯瞰し背景まで緻密に演出がなされる映画。芝居懸かってるのは現実のほうで、リアルが噴出するのが映画なのでは、とか。咀嚼しきれぬままの雑感。
人生を演じること。「ホーリー・モーターズ」をまた観たくなった。
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