平田一

インターステラーの平田一のネタバレレビュー・内容・結末

インターステラー(2014年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

劇的な環境変化で、砂埃が吹き荒れて、農作物は枯渇して、食糧不足に見舞われて、母なる星・地球の寿命が尽きようとしている未来。物語の主人公は元パイロットのエンジニアで、娘と息子を男手一つで育てたお父さん・クーパー。そんな彼がひょんなことからある施設に立ち寄って……。

公式パンフレットにある、簡単なあらすじを、かいつまんで説明すると、こういう導入なんですが、一言では説明できないところが魅力で厄介ですw

大体この手の映画って、「回避ルート」を見つけることが、スタンダードなんですが(ポピュラーなところを挙げると『アルマゲドン』とかまさにだし)、ところがこれは地球の危機を防ぐ手立ては存在しない、もっと言えば寿命が来たってハッキリしちゃっているんです(危機が回避できない映画は『2012』もありましたけど、こうまで地球はもうダメですって言った映画も珍しい)。

だから映画は滅亡阻止のルートには目もくれず、地球に代わる新たな星を探すことが主軸になって、そこに主役のクーパーが関わってくことになる。

クーパーが“(観客にとっての)水先案内人”なところも大いに助かります。

で、ボクがこの映画をスゴく良いと思ったのは、クーパーらの敵というのが“時間”だってとこですね。何本か宇宙が舞台の映画は見たことありますし、“ウラシマ効果”が絡んだ話も「ドラえもん」とかそうですが、ここまで時間に翻弄されて、断絶されるお話って、あんまりこの手のハリウッド映画で、見たことは無いですね。当時これを仕事終わりに映画館で見たときは、ここまで翻弄されちゃうの?って見ていて驚きましたし、ラストシーンもそのおかげで、ただただ沁みちゃいましたね。

もう一つ、この映画の推しどころを挙げるなら、

難しい用語や事象に対する“好奇”の加速です。

先に言うと、飛び交っている専門用語、計算式とか、科学にまつわる諸々なんか、まるでわっかんないですよw嚙み砕いてはいるんだけれど、分かりやすくはさせてなくて、その先は自発的に調べて咀嚼をするしかない。一見取っつきにくいなって思うのかも、しれないけれど、不思議なことに、そうしたお陰で、好奇心が増すんです。

そのおかげでパンフレットをもっともっと読み込みたくて、参考文献への関心も高まるという相乗効果……つまり知りたい、学びたいって気持ちがガンガン上がるんです。この前の『インセプション』とか、この後の『テネット』もまさにそういう好奇心が触発される仕掛けがあって、言っちゃうとノーラン映画は、“やる気スイッチ”触発映画!特にこういう“時間”がキーの作品になってくると、この人の演出ってノリが乗ってる気がしますw

お陰で宇宙と地球の時差や、五次元空間のことだったり、色んなことへの関心興味がバンバン加速しましたね。

そろそろまとめに入りますが、当時これをIMAXで見てきた自分を誇りたい。心の底から語り継ぎたい、スペースオデッセイの名作。一つの娯楽作品としての完成度もさることながら、本編に内包させてるテーマ性も素晴らしく、色んな部分で楽しくことが出来る面でも必見です!

スター・ウォーズが好きな人は“TARS(ターズ)”にノックアウトでしょうし、音楽好きならハンス・ジマーのBGMにヤラレてください。ボクはこの人の『シン・レッド・ライン』の曲が一番好きで、そのトーンが好きな人なら絶対聞かなきゃ損ですね!!
平田一

平田一