数年前に鑑賞していたがレビューを書いておらず、アマプラで見放題終了とのことだったので再鑑賞。
観る前に時間を確認していなかったのだが、終わってから「169分もあったのか!」と驚くほど全く長さを感じなかった。
ノーランによる拘り抜かれた映像美は、やはり劇場のスクリーンで観たいと改めて思わされる。
トウモロコシ畑の中にぽつんと建つ小さな家の少女の部屋から、とてつもないところまで世界が広がり、そしてまた少女の部屋に帰ってくるという構成が素晴らしく美しい。
原案を手がけたキップ・ソーンが化学コンサルタントとして参加しており、しっかりとした科学的考証を基に作られているため、知識があれば何倍も本作を楽しめることだろう。
しかしノーランはそこに全人類に通じる「愛」という非科学的な軸をぶっ刺した。
それによって誰もが没入できる作品となっているのは間違いない。
5次元立方体やワームホール、ブラックホールの表現が素晴らしく、その壮大な物語に圧倒されつつも、親子の再会や「愛」に導かれたアメリアの存在により、すぐ傍で触れられるような温かさにも包まれた。
紛れもなく語り継がれる名作であり、定期的に劇場でも上映して欲しい作品。