まりしあ

インターステラーのまりしあのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
3.6
期待以上ではなかった、けど十分面白かった
大型SFで、完璧に整合が取れてたり全てに理論的説明があるわけではない。
でも小説ならまだしも映画でそれを追求するとだらだらしてしまうかもしれないのでこのくらいが最適均衡なのかもなと思う。

伏線、というより布石と言った方が適切か、布石を大量に打っておきながら、それがくどくなく、でもちゃんと味があるところ。この作品最大の魅力だと思った。翻訳は随分頑張っていると思う(吹き替えで見た)。

あと音の使い方。映画なんだからストーリ中トラブルがたくさん起きるが、宇宙船内での計器の非常音、叫び、荒い呼吸などと対照的な宇宙空間での無音描写が綺麗なコントラストだった。
もちろん現実的には宇宙では音は聞こえないからということもあるけど、宇宙の非情なまでの美しさとか、人と自然の対比とか、それだけじゃないウィットな表現になっていたと思う。

期待以上ではなかったとしたのは、自分のなかで温めすぎたことと、三体を読んでしまったことが大きな要因かなと思う。
結局数年観ずの時間が続いたのでそりゃ期待も過剰になっちゃうよねと、
ラストなのに、まだここからくるよね?あれ?とか思ってたからあーまじおわり?って思ってしまった。それからラストを思い返してもんー、そんなもんかそっち行くのかーと思ったり

あとやっぱり三体を期待して読んじゃうとどんなSF大作も、作り込み単体としては霞んじゃうなあと思ったり

あとユリイカのとこは浮いてて見てて恥ずかしかった。あーうんうん、元ネタ知ってる人だけニチャアねって感じだし
ブラックホールの特異点内でのデータを、モールス信号で?わらって感じだったのも 野暮だな
ノーベル賞理論物理学者キップ・ソーンが、自分が検出した最大の功績重力波を題材にした制作指揮に入ったものの、その割には怪しいSF考証と、クリストファー・ノーランの説明不足癖とがあまり好かなかったのかも。
普通の映画なら全てを説明してくれなくても(くれない方が)いいんだけど、SFは理系としてがっちり読みたいよね


どっかの映画サイトで見たエモSFって言葉がなるほどねと思った。俺がSFに求めてるのはある種ハードボイルドに書かれたストーリー構成や描写の面白さだったのかも。
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