リトルブラザー

インターステラーのリトルブラザーのネタバレレビュー・内容・結末

インターステラー(2014年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

映像は素晴らしく、特に水だけの惑星はすごいエキサイティングな表現。蓮實重彦とか、ノーランの演出や編集を批判するシネフィルはそこそこいる印象だが、まあそれも(特に今作においては)分かる。冗長すぎるし、印象に残る映像はあっても印象に残るカットは無い。終盤、時空を越えたメッセージを送るシーンは、メッセージに気づくのが先かクーパー長男が戻ってくるのが先かのサスペンス展開かと思いきや、冗長な演出でうんざりした挙げ句、放火した犯人であるマーフィーと必死の消火で顔中煤まみれの長男が抱き合う謎展開で笑ってしまった。SF的な部分の話をすると、重力の方程式が解けなくてもコロニーなり火星移住とか出来るんじゃないのという疑問が。ストーリーが似ているSF小説として、イーガンの「ディアスポラ」「プランク・ダイヴ」、上田左夕里「深紅の碑文」、世界観が似ているバチガルピ「ねじまき少女」とかを連想したが、それらの傑作と比べてしまうと物足りなさを感じる。色々文句は出てしまうが、有名作ゆえ先入観もあっての評価ではある。ウラシマ効果と家族愛の絡め方は良かった。
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