海苔

インターステラーの海苔のレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
4.6
時間の魔術師に科学に全振りする映画作らせた結果、この作品が出来上がりましたを地で行き過ぎてるから少しスピード落として欲しいなって心配になる隙すら与えてくれない。あっという間。
裏テーマ愛が過ぎて心地良い頭痛が頭痛が置き土産の、科学と愛と言う真逆の位置にありそうな物をひとつに違和感無く作品に出来る才能に、嫉妬すら出来ない。ノーランの相反するテーマを表現し切れてしまう所は最早人間国宝に指定するべき才能…。

今まで観なくて良かった。哲学や科学の思考を入れずに観てたら面白さが半減してただろうし、相対性理論などを何となくでも知った状態で観れたからこその臨場感。
名作って理由があって名作なんだよと素手でぶん殴って来るのを止めて頂きたい。こんなに知的作品なのに、全力で【人間だから!】【人間だからこそ!】とぶつけて来るとこがノーランが奇才って言われる所ですね感。

個人的には伏線回収作品と言うより、メインテーマと裏テーマが相関関係にある作品だなと思った。
相対性理論が主で出て来ていたが、作品の仕上げ方は相関関係だなと感じた。

(以下ネタバレ含)
心拍数やら数値化出来ない不変な愛と言う感情、理論上可能と言う推察が実現された場合と言う科学。それらを混ぜてみた~と言う⚫⚫やってみたなノリすら今となっては感じる。ノーランの怖いとこはここ。再現出来てしまう。他者に思考を伝えられてしまうと言う点が個人的にガッツリ哲学に感じた。
科学と愛の真逆をクーパー、マーフィー、アメリアで見せながら、愛に負けた存在にマンをぶち当て、化学に負け愛に突き抜けた存在にトム。
そして純然たる人間しか持ちえないであろう暗いエゴイストの部分を教授にぶち当て、作中あの終わり方させた所に皮肉を感じた。
自己犠牲の選択が出来てしまう=機械の流れが印象的。自己犠牲を代償と捉えないからと言い機械な訳でもない。人間は代償と捉えるから自己犠牲するしないの選択をするが、機械の場合の選択理由は命令だからやる。ここんとこに機械と人間の違いは意識(感情)の有無だが表現されてて凄く皮肉い。

めちゃくちゃ泣いた。マーフィーがあの幼さで必死に科学が好きな父を理論で感情的に引き止めるシーン、23年分進んでしまったあとの受信分一気見、アメリアが教授の真意を知り絶望する所も科学者の教授が抽象的に比喩して贈った詩に皮肉が混ぜこぜでエグかった…。

まだ観てない人が羨ましい。それこそ多次元に行き選択的視聴をしたい。ほぼ3時間なのに一瞬。ワームホールが過ぎる作品だった!
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