おいなり

インターステラーのおいなりのレビュー・感想・評価

インターステラー(2014年製作の映画)
3.3
クリストファー・ノーラン作品観よう週間の第二弾。ただ正直言って文系脳にはツラいガチSFなので、どうレビューを書いたらいいものかとても困って放置していた。

オタク少年の義務教育として著名SF小説は一通り通った道だけど、こと「宇宙もの」となると、もうスターウォーズ以上に複雑なものは理解できない不思議。だいたいにおいて、宇宙の多くは我々の物理法則から掛け離れた性質を持っているので、想像力を駆使する必要があって脳みそが疲れる。さらに宇宙もの特有の、あの孤独感の演出……地球に帰れるか帰れないかの瀬戸際……というスリリングさが終始続くとあって、まぁ観終わるとだいたいいつも「はぁ〜〜〜〜……」という感じです。
ましてや本作のSFゴリゴリ具合とその説明の少なさといったら……。

映画としては、有名俳優のわりにはすすんでカメオ出演してくれる「あの人」の、出てきた瞬間に、なんか裏切りそー、と察してしまう感じとか、幽霊の正体とか、複雑怪奇なSF設定に対してわりと予定調和が多かったのは事実だけど、重力による時間認識のズレを利用してうまいこと時間を前後に行き来させる演出は、わかっていても「ふーむ」と唸る場面もあった。

言いたいことがおおよそ序盤と終盤に集約されてるせいで、中盤のゴタゴタってそんな必要あったかな?と思わないでもない。燃料を使い切るかも!酸素足りないかも!みたいな宇宙サバイバルって他にもいっぱいあるので……。
あとは最後のトンデモSF……まぁこれは人によって見方があると思うので、特にここでは言及しません。俺の脳みそのキャパシティを超えてる。ただ映像表現に関しては、宇宙空間のリアリティ、光と影のコントラストが凄まじい作り込みなのに対して、全方位CGみたいなシーンになるとどうも凡庸に見えてしまうので、やっぱノーラン映画と相性がいいとは言えないかなぁ。

SF講釈の難しさの反面、根底にあるテーマは愛!という、陳腐なほど普遍的な映画なので、意外ととっつきにくいとか、理解できないという類の映画ではない。
みんなが褒めてるのもすごくわかるけど、個人的にはノリきれない映画でした。ノーラン作品てだいたいそうなんだけど。

今回はいつもの「ノーラン劇団」からの出演者は控えめ。アン・ハサウェイはいつ見てもきれいですね。ジェシカ・チャステインも好きな俳優なので◯。お兄ちゃんなんで急にグレちゃったんだろう?宇宙パート削ってもうちょっと地球側の描写増やして欲しかったな。
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