一癖も二癖もあるキャラクターが織りなすジムジャームッシュ作品を想起させるオブビートな会話劇と穏やかな人生讃歌のような優しいカントリーミュージックがすっと沁みてくる。オスカーアイザック、キャリーマリガン、アダムドライバーらの歌唱シーンが見られるのも貴重。猫ちゃんもかわいい。癒し系のイメージが強いキャリーマリガンの毒舌ぶりには驚愕した。コーエン兄弟作品は初だったけれど、所々クスッと笑える要素や噛み合わない会話、クセ強のキャラクターの存在感が際立っていて面白かった。泥臭いオスカーアイザックの演技はとてもよかったし、年齢を重ねた彼の歌声は哀愁を帯びていてより沁みた。ジョンレジェンドの歌声に似ていたような。物思いに耽りたい秋の夜長にまたみたい作品。
