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0課の女 赤い手錠の仮想空間のレビュー・感想・評価

0課の女 赤い手錠(1974年製作の映画)
3.6
「この物語は現実のものとは一切関係ありません」の文言通りまともな人間が誰一人として出てこない。実弟を殺す郷鍈治、人質の扱いが雑すぎる杉本美樹、手を工具で挟まれた上にガスバーナーで焼きを入れられる男、その様子を顔色ひとつ変えずに見る丹波哲郎、裸にされた上暴行され家を燃やされる家族、それを助けない警察、(物理的に)燃える室田日出男…などなど。あらゆる倫理の敗北を見せつけられる。まるで暴力のデパートのようで、次はどんな殺され方をされるのか…という思考によって支配される。
ショットのひとつひとつがえぐい。物語の無秩序さと救えなさを補って余りあるほどであった。
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