元になった事件のこととか、虐待やひとり親家庭についての社会問題は置いておいて…単純に映画としての感想だけ言うとするなら、生温い、と言いますか。勿体無い、と言いますか。
急ぎ足で進むストーリーのせいで、家庭状況の変化や母親の心理状況についていくのが精一杯でした。前半でもっと、”We need to talk about Kevin”のようにじわじわとストレスに蝕まれる描写や、少しずつ困窮して荒れていく生活の様子を丁寧に描いてもらえると感情移入もしやすかったのかな、と少し残念に感じました。
また、個人的には”鬼畜”の時の岩下志麻のような、バッシングやイメージダウンを恐れない徹底した役作りで極悪非道な母親を演じてもらいたかった、という思いもありす。(私が岩下志麻を好きなだけ。)
子役の女の子が中盤で指吸いの幼児退行の様子を見せたり、切ってもらえずに伸び続けて目にかかる前髪の表現はとても細かいと思いました。
