寝るのだいじ

子宮に沈めるの寝るのだいじのネタバレレビュー・内容・結末

子宮に沈める(2013年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

育児放棄により幼児2人が亡くなった実話。

実際の事件も併せての感想です。
父親ではなく、母親の浮気により父親が去ったことでシングルマザーになった。
2人の幼い子供と、社会から閉ざされた母親の「子宮に沈められた」現状から、皆が孤独になり、母親はホスト(?)に依存することで現実から逃れようとする。
幼い姉弟は、勿論生活力も無く、ドアなどは全てガムテープでとめられていたので、ゴミと残された調味料だけで生き延びようとする。
実際の事件では、姉が生ゴミを食べて食中毒で死亡、乳幼児の弟は姉の排泄を食べて死亡らしい。

映像が淡々としていて、おぞましさが浮き彫りで、95分間は体感3時間だった。
苦しかった。

母親が男に依存するタイプで、だからこそ高校の友達も男にうつつを抜かすタイプだったのだろうと感じた。
事件でも本作品でも明らかに母親が悪いのだが、それを相談できる人や環境が無かったのか考えたい。

しかし助けを求める余裕も無いほど追い込まれていては、どうすることもできない。ましてや現代では他所の家に首を突っ込む人もいない。
現に母親自身もネグレクトを受けて育ち、中学生の頃に壮絶な性加害されたことによる解離性障害もあったと言う。その上で、離婚の際にも「自立して子育てする」「金銭の援助は受けない」などの誓約書を親に書かせられていて、一番頼りたかったはずの親ですら見捨てていた。それが連鎖したのがこの事件なのだ。
ではどうすればよかったのか…性被害へのケアや犯罪の量刑が甘すぎる日本ならではの、巣食い方かもしれない。