このレビューはネタバレを含みます
鬱映画との呼び声高いらしいので興味本位で鑑賞……して、みたら…えっぐ。
子供の高さの視点で撮られてるシーンが多いのがまたリアリティ。
BGMもなく淡々としてるのに場面切り替えもさっさっと進んで睡魔の入る余地皆無。
人間誰しもが多少なり持ってるだろう母性父性庇護欲的な物を上手に擽って、見守らせる形に進む流れが秀逸すぎてまんまと見入った。
画角に拘り過ぎずと言うのか映像で説明し過ぎずと言うのか、時々ガサガサとか音だけで興味を煽り結果説明に運ぶ技にもまんまと嵌ってしまったし、監督の掌の上で踊らされました。
お姉ちゃん役の子が上手すぎてリアリティマシマシ。
包丁で缶詰のシーンなんかもう別種の意味で怖過ぎて、あ〜〜！やめてくれぇぇ…！って心の中大絶叫。
一生懸命弟の面倒見るお姉ちゃん、泣くしか出来ない弟、こんなの実話を元にしたんだとか言われたら心ん中ギューッとなりすぎてしんどい。
お母さんも最初めちゃくちゃいい母親から始まってるだけに責めるのも筋違いだしな……。最後の方どうしたんだろうか、と思ったらお母さんの精神状況表現したんだろうか。気力削られすぎて考える力が残っていなかったようだ。
子供目線で多くを語られないこの作品通して観ると、大好きなお母さんしか頼れなくてずっと待っちゃう子供のいじらしさが余計傷に塩塗る感じの、ずっと痛い気持ちの映画で精神力と何かをごっそり持ってかれた気持ち。
めちゃくちゃいい作品なのに、二度目の勇気が起きないので星3にしておきますけれども、気持ちとしては星5です。
