おばあちゃんがカトリックの教義(と当時の社会性)のために引き離された子供を探す、実話を元にした一作。予告編には騙されたけど唸りました。
変わらない教会と教義に対し、変わっていく市井の性。現代の感覚での人権侵害は告発しつつも告発された側にも主張させているところが懐の広い映画。終盤全てが明かされた果てのフェロミナとマーティンのそれぞれの宣言がずしりと響きます。
ジュディ・デンチのおばあちゃんぶりがとてもキュート。そしてスティーヴ・クーガンのインテリ皮肉屋ぶりといいコンビでした。若き日のフィロミナを演じたソフィー・ケネディ・クラークも若い過ちを犯した母親ぶりが見事。