えでぃ

あなたを抱きしめる日までのえでぃのレビュー・感想・評価

あなたを抱きしめる日まで(2013年製作の映画)
5.0
1952年、アイルランド。
18歳で未婚の母となったフィロメナは、親から強制的に修道院に入れられ、3歳になった息子のアンソニーは、アメリカに養子に出されてしまう。

それから50年後、イギリスで娘のジェーンと共に暮らしていたフィロメナは、手離した父親違いの存在をジェーンに明かした。



この物語にしろ、ジム・ローチ監督の「オレンジと太陽」で描かれていた児童移民の問題にしろ、神に仕える者の行いに苛立ちを超えた怒りすら感じました。

さすがジュディ・デンチと思わせるほど様々な表情を見せるフィロメナだったが、昔の教えと言うものが呪縛になってはいないだろうか。
彼女の望みも叶わず、息子が探していた事さえ隠蔽していたと言うのに、なぜあの様な寛大な心で赦せたのだろうか。

時代とは言え、人身売買を行っていた修道院に正しさなどなく、神に懺悔さえすればすべてが許されるとでも言うのか。
全部,自分たちの勝手な解釈でしかない。

冒頭に書いた児童移民にしても、国は過ちを認めているにも関わらず、教会は昔の事と謝罪もない。

今、イスラム原理主義だけが悪のように見られているが、人を殺害しないだけで非人道的なのは何も変わらないものを感じました。

一体、誰の為の宗教なのだろう。
えでぃ

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