というわけで後編です。
まさかの展開でした。甘くみてました。
絶対ラストは西島秀俊と和久井映見が幸せそうに笑いながら乾杯してるシーンを信じて疑っておりませんでした。
全部が全部フラグでしたしてやられました。
タイトルは、原題がふさわしいですね。まさしく無間道。
ままならない人生。かなしいかな、そう感じていないひとなんて、ほんのひと握りなのではないかと思わざるをえないこの世の中。気持ちが、痛いほどよくわかってしまうとこもせつない。
けどだからといって、邪魔なものを欺き裏切り、物理的に徹底的に排除して手に入れたそれは、はたしてほんとに望んでいたものなのかというおはなし。
正しいことをしたいからと、ひとりひとりが邪魔なものを排除していたらそれはそれで、誰かのためなら誰かを犠牲にしてもいいということが、正しい世界になってしまう。
けど決してそれは、正しくなんてなれない。誰も幸せになんてなれない世界になってしまうのですよね。
犠牲になったひとたちはもちろんのこと、だって自分たちには「それ」が備わっているはずなのだから。
言うまでもないことなので、誰もが忘れているのでしょう。当たり前のことなのです。ただのインプリンティングかもしれない。本能の操り人形なのだと嘲るならそれでいい。否応なく感じてしまうのだからしかたがない。
ひとは、ひとである以上、ひとを傷つけると、そこには罪悪感が生まれるのです。
みんながみんな、きっと忘れてしまってるんだ、とでも言いたげな語り口が、心底琴線揺さぶられる傑作でありました。