してちゃん

ノスタルジアのしてちゃんのレビュー・感想・評価

ノスタルジア(1983年製作の映画)
4.0
なんちゅう美的感覚の高さだこりゃ。
詩情純度が桁外れ。絵も音も言葉も全部ちゃんと詩でできてる!

前に家で観たサクリファイスがすごかったのが記憶にあり、劇場でタルコフスキーが観れるってんでワクワクでいったけども期待を上回る、美しいの塊、みたいな現象でした。

話ははっきりいって分からなかったですw

が、そもそも何かクッキリした筋をわからせようとは作っていない、夢か現実か、過去か現在か、いるのかいないのか、終始そういう境目がない表現なので、

わっかんねー、いましゃべってんのだれ?この音楽は劇伴?それかそこで鳴ってるの?これだれ?いまどこ?わっかんねー、
でもとんでもなく美しいし、恐ろしく心地いいし、とても悲しいから、ま、いいか!

となります。

1カット目が白黒で、2カット目もそのつもりで観ていたら車のテールランプが赤く光っておののいた。よくよく見れば浅いだけで2カット目からカラーなのだ。色まで境目をなくしてきた。

声はすれど徹底的にその人を映さず、別の人だけ映すから、幻聴なのかなんなのかわからず、やっと映したと思ったら今度は徹底的に同じフレームに入れないから、また幻視なのかなんなのかわからず、といった見たことない手法が多くて、混乱しつつも楽しかった。

そしてラストシーンが凍りつくほど美しかった。