光と影の映画。この映画を観た人なら、「どのシーンを切り取っても絵になる」とか言うだろうけど、映像の美しさに関しては、光をかなり意識的に使っていること、特に人物に対して強い斜光をあてていることも一因と思料。
現在と過去の対比も、カラーとモノクロだし、
ロシアとイタリアとか、他のいろいろなものに関しても光と影を見出だせる気がする。
ソ連出身の監督ということだが、この映画のなかで語られる自由への思いは、ソ連のイデオロギーには反するのでは。
全体的に、静かで美しい映像のなかに苦悩や激しい感情、暴力性を含んだ映画という印象を受けた。一作品のなかに、信仰、母なるもの、自由、芸術性など様々なテーマがみえると共に、情念がすごいので観てて疲れますよね。