マーベル大好き

グランド・ブダペスト・ホテルのマーベル大好きのレビュー・感想・評価

3.7
若干ダークコメディ要素のあるクセのある作品。
こんなところでトムホランドスパイダーマンのフラッシュに会えるとは。


歴史的な出来事がパロディとして登場し仮想の国ズブロフカ共和国が舞台となる。
1人の女性がズブロフカを代表する偉大な作家の銅像前で小説『グランドブタペストホテル』を読み始めると、ある作家がグランドブタペストホテルを書くに至った経緯を回顧録として語る。

作家熱により、かつて栄華を極めたグランドブタペストホテルに静養にやってきた作家(ジュードロウ)はホテルのオーナーで移民から国1番の大富豪となったゼロムスタファ(Fマーリーエイブラハム)と親しくなる。ベルボーイから彼がオーナーでありながら使用人の使うエレベーター程の広さの部屋に泊まりにくることを聞いた作家は彼に興味を持ち、オーナーのゼロはなぜ自身が移民でありながらグランドブタペストホテルのオーナーになり得たか語り始める。


ストーリーはベルボーイだった頃のゼロ(トニーレヴォロリ)と当時ホテルで宿泊客から絶大な信頼を得ていた名高いコンシェルジュであるムッシュグスタヴ(レイフファインズ)を中心に展開する。
グスタヴは特にいわゆる裕福な初老の女性を慰めることで顧客から人気を得ていたがそのうちの一人であるマダムDが、ある時『もうグスタヴに会えない気がする
』と言ってホテルをあとにした後実際に亡くなったことを新聞で知ったグスタヴはゼロを連れてマダムの邸宅に向かい、マダムDの遺言状により大変な価値のある絵画を相続することになったことでマダムDの息子のドミトリー(エイドアンブロディ)とドミトリーの雇った私立探偵のジョプリング(ウィレムデフォー)に狙われることになる。


どこか紙芝居のような、御伽噺のような不思議な構成になっている。キャストが豪華な上に舞台となるグランドブタペストホテルの配色も印象的で他のシーンの抑えた色味との比較が面白い。
グスタヴ役のレイフファインズの演技力もさることながら、ジョプリング役のウィレムデフォーの存在もストーリーをスリルあるものにしていた。彼はヒール役が本当に良く似合う。