ふじこ

グランド・ブダペスト・ホテルのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

すっごい情報量。倍速だと把握しきれないくらい。

一人の作家が、嘗て名門中の名門と言われた、今や寂れたホテルで宿泊にきたオーナーと出会う。そのゼロ・ムスタファ氏はホテルは相続したに過ぎず、何故その様な運びとなったのか、を語って聞かせる所から話が始まる。

名門グランド・ブダペスト・ホテルのコンシェルジュ、グスタヴは仕事の腕や女性への扱いに長ける事から上流階級の常連客の中に沢山の愛人を抱えており、そこにやってきた新人ベルボーイとなったゼロ・ムスタファは彼に師事する。
愛人達の一人のマダムDが亡くなり、遺言にて高価な絵画を遺された事から、マダムDの親族達と揉める前にゼロと共に盗み出してしまうが、無事ホテル内に隠し終えた処で警察が到着、マダムDを殺害した容疑者として逮捕される事に。

そしてゼロの彼女であるアガサ、遺族からの追手の殺し屋、マダムDの家に仕えていた鍵を握るセルジュX、そしてホテルマン達の秘密結社等が絡んで物語が転がっていくのだけれど、全体的にコメディチック。
まぁまぁ下らない会話や、あくまで物腰の柔らかなグスタヴと、なんとなく飄々とした感じのゼロ、なのに結構人は死ぬ。殺し屋のジョプリングがコメディ調でありながらもバンバン殺すから。

刑務所からの逃亡中急に出た、名門ホテルのコンシェルジュ達が集う秘密結社のような存在は思わず見返した。余りに突然すぎて。
しかし本質は別にミステリーとかではないので、そっかぁ、で流して問題なかった。俳優、豪華だなぁ~とか、ホテル、素敵だなぁ~とか思ってるだけで充分。

これだけ色々あったにも関わらず、グスタヴもアガサもあっさりと死んでしまう処は良かったなぁ、時代に呑まれたホテル自体を思わせるようで。

この監督の作品は全部こんな雰囲気のヤツっぽいから再び出会うかは微妙だけれど、いや、でも犬の映画気になるなぁ…。
ふじこ

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