おもてなし
2014年 ドイツ/イギリス作品
カラフルで統一された色合い、計算された構図、印象的な小道具、この独特な世界観は大好きです。鑑賞のひと時を異世界に誘われた感じです。
ストーリーもじっくり楽しめました。グランド・ブダペスト・ホテルの伝説のコンセルジュ・グスタヴと弟子のロビーボーイ・ゼロの掛け合いが楽しく、微笑ましく、悲しく、切なく、二人の師弟愛が強く感じられます。マダムD殺人事件の真相究明もスリリングな展開に惹き込まれました。
ホテルマンなど対人サービスには、ホスピタリティ(おもてなし)が大切だと言われます。その目的は、お客様に喜んでもらうことでしょう。
本作のグスタヴとゼロ。二人がグランド・ブダペスト・ホテルのお客様に対するおもてなしの心を惜しまなかったように、本作にはウェス・アンダーソン監督の観客に対するおもてなしの心、映画愛が溢れていました。