benno

グランド・ブダペスト・ホテルのbennoのレビュー・感想・評価

4.2
『グランド・ブダペスト・ホテル』…
それは、ある作家が遺した一冊の本…。

かつてこのホテルに何が起こったのか…?? 物語が紐解かれます…。


1932年… ヨーロッパ大陸の東端…旧ズブロフカ共和国にヨーロッパ随一と謳われるグランド・ブダペスト・ホテルがありました…。

そこには"伝説のコンシェルジュ"と呼ばれるグスタヴ・H(レイフ・ファインズ)…上客であるセレブマダムのお目当てです…。

ある日、長年のお得意様であるマダムD(ティルダ•スウィントン)が殺される事件が発生…。

遺言により高価な絵画『少年と林檎』がグスタヴに贈与…そしてそのことで彼は殺人の容疑者として嫌疑をかけられ警察に追われることに…。

おまけに、絵を取り戻そうとするマダムDの息子ドミトリー(エイドリアン・ブロディ)の刺客(ウィレム・デフォー)にも追われます…。

コメディタッチのオフビートサスペンス…果たしグスタヴの運命は…??



ピンクのメルヘンチックでピクチャーレスクのホテルの外観…甘すぎるテイストは好きではないので不安いっぱいでしたが…ホテルに一歩足を踏み入れると…That’s my cup of teeeeeea!! まさに大好物のアール・デコ…内装にインテリアや置物に至るまでの調度品の数々…真っ赤な壁のエレベーターにトキメキます…。

5章から成るストーリー…その章ごとにタイトルフォントも工夫され、まるで絵本を読んでいるみたい…奥行きを活かしたカメラワークも冴えてます…。

映像の素晴らしさに対して汚い言葉にコミカルな動き…脱走シーンでの漫画チックな構図はリアリティを遠ざけウェス独特のシュールな世界観が楽しい…。

キャラ立ちは言うまでもなく…相変わらずのティルダの化け具合は天晴れ…アガサ役のシアーシャは清涼効果を齎し…禿げ頭でヘンテコなタトゥーだらけのH.カイテルには吹き出しました…デフォーの悪役もバッチリ、雪上での追跡シーンはスリリング…!!

時代も前後しますが…スクリーンサイズを変える工夫でとてもわかりやすいです…。


そして1968年…ズブロフカは共産化…冷戦の時代…。
ホテルも国に没収…守ってきたものは消されてしまいます…。

   "諸行無常の響きあり…"(✽. .)シュン…。


メンドルのケーキは美味しそう…食べてみたいෆ*
benno

benno