こーた

グランド・ブダペスト・ホテルのこーたのレビュー・感想・評価

3.9
おしゃれなカメラワーク・編集が特徴的なサスペンスコメディ。
かつて栄華を誇ったグランドブダペストホテル。そのホテルの現オーナー・ゼロは何故か最上階の狭い使用人部屋に住むと言う。若き作家がホテルを訪れ彼を取材すると、ゼロと彼を雇った伝説のコンシェルジュ・グスタフの壮絶な人生が明らかになっていく。
グスタフは主に金髪の老女マダムを相手に"友人"として夜の関係を深めていた。ある日その中の一人マダムDが殺され、遺言によって彼女の所有していた莫大な価値のある絵画を譲られることになる。このままでは一族に報復されることを恐れたグスタフは絵画を盗み出す。しかしその一族によって、グスタフはマダムD殺害のあらぬ疑いをかけられ刑務所に入れられてしまう。その後グスタフは脱獄に成功し、彼のコネを使い秘密結社の協力も経て順調に逃げ延びる。
しかし絵画を取りにグランドブダペストホテルに戻ると、そこで一族や警察に捕まってしまう。ところが絵画に挟まっていたマダムDの第2の遺言書によって、彼は財産を譲り受け再び栄華を取り戻すのだった。これはグスタフの半生を付添人として最期まで見届けたゼロによる語りの物語である。
天涯孤独のゼロと伝説のコンシェルジェ、正反対の二人のやり取りがコメディになっておりアンバランスが面白い。ゼロが徐々に彼を友人として慕う姿が微笑ましいです。
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