KEKEKE

グランド・ブダペスト・ホテルのKEKEKEのレビュー・感想・評価

4.0
- 軽薄で淡白、洒脱で世俗的、建築物然とした構造美、それでいて深く洞察的な人間描写
- 繋がりによって時代が継承される美しさの物語
- 膝に抱いた子供に母親が絵本を開いて読み聞かせるような温かい作品

- 人間的社会において確かさを象徴する法律や書類、権利を巡る物語でありながら、彼を困難から救うのは不確かで見えない関係性
- ホテルを中心に交錯する失われた不安定な時代を、ナラティブの視点で描いた時、何が削ぎ落とされ、何が残るのか
- 残滓は物語に魂を宿し、また後世へと伝えられ、紡がれまた次の物語を作る
- 刺激が渇望される時代に物語るという普遍的な事象自体に焦点を当て、新しくそれでいて凄く優しい、確かに今までなかった切り口で作品を作ることができる監督だと感じた
- ↑言うて10年前の映画か怖

- こんなにありきたりなストーリーなのに画面の見せ方や人物の配置、キャラクターの作り込みでここままで新鮮な映像を作れるのか
- 人間を写実的にありのまま撮るのとは全く逆のアプローチ
- 箱庭やジオラマのミニチュア人形のような世界観で、人物の感情的な表現が排されているからこそ、場面におけるキャラクターの役割が際立つ
- 初めてのウェスアンダーソン、キャストもめちゃくちゃ豪華で目に優しい、最高でした
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