ロンしたことない

グランド・ブダペスト・ホテルのロンしたことないのレビュー・感想・評価

4.0
ウェス・アンダーソン 3作品目
すでに恋。

「毒あるかわよい世界観がすき」と
全作品にレビューを残しそうなので
とりあえず構図周りをテーマに見てみた。

百番煎じの感想です
あとめちゃ長いです

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まず、画面のアスペクト比に着目。
絵本をシンボライズしたかのような
ちょい横に長い長方形。なんか可愛い。
絵本を感じる所以の1つはこれか?と
考えてたところで、
時代によってアスペクト比が
異なることに気づいて度肝抜かれた。
見返してみると比率の変化に合わせて
配色、装飾にいたるまでがちがう。

ちょい長の印象はレトロポップで愛らしい
見慣れた比率はシックで悲しい
横長な比率は現代的で地味。

さりげない印象の転調。すっご。

アスペクト比の差異(と配色等)で
時代を描きわける遊びごころと技術に
痺れる。

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もう1つ、ウェス作品で印象的な
正面横正面横正面横、と繋がれるカット。

興味深いのが、正面でも横でも
必ず中心に人や物がいたり置いてあったりの
シンメトリーなショット。
この構図によって、何を見るべきカット
なのかが一目瞭然にしている。
上下左右へのパン、ズームイン・アウト。
これらはあくまでも画の中心への
視線誘導のためのカメラワークだとわかる。

人物の移動、行動や注目させたい人・物に
合わせたカメラワークと構図。
どこまでも緻密な視線の設計。

ドタバタとした独特なテンポなのに
中心にだけ視線が向かうため、
どこか静的に感じるのにも納得。

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追記
面白い実験してる方がいたので共有

Kogonada
https://vimeo.com/89302848
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何勉強したらこんなの作れるんだ。
ウェス・アンダーソン、解剖したくなる。