グランド・ブダペスト・ホテルのLudwig2のレビュー・感想・評価

1時間半とは思えない見応えのある作品。「少年と林檎」の絵画をめぐるサスペンスが、ゼロとグスダヴの友情、ゼロとアガサの恋愛などに加わって、静かなのにハラハラさせる不思議なテイストに仕上がっている。真面目なのにコメディ要素もあり、シリアスな話題もあり、エンタメでありながら芸術的にも優れた作品。作家がゼロから直接話を聞く感じや、チャプターが出てくるところ、さらにレトロなテイストで、まさに小説を読んでいる気分になる。