RYUYA

グランド・ブダペスト・ホテルのRYUYAのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

初ウェス・アンダーソン。
まずは、上下左右前後にしか動かない画角展開という自分のルールをやり通した監督を賞賛したいと思います。
そして、衣装・小道具・美術がべらぼうに優秀なようで。彼の作品のファンタジックでキュートな世界観を大いに盛り立てていて、現実離れした環境下なのに違和感がない。それはすごく大変なことだと思います。さすがアメリカ、と言いたいとこですが、どう考えてもウェス監督の世界観はヨーロッパ的ですよね。いちいちスケールがデカいのに、あの世界の中だと人々はミニチュアの人形みたいで。物語も芝居も世界も、一言で云うと「滑稽」なんですね。でも、滑稽なことをやるステージがきちんと整理された状態であるからこそ、あの面白さが出るんだと思います。とにかく贅沢です。国会議事堂のど真ん中でトランプする、みたいな笑
カメラワークも素晴らしいです。
キューブリック好きの監督×ホテルの映画と言えば、行き着く先は「シャイニング」。なので、シンメトリー、突然のバイオレンス的カット、ロビー・階段の撮り方はキューブリックへのオマージュだと解釈できます。もはやカメラワークだけで言えばキューブリック越えだと。ある地点からある地点にカメラがパンするとして、そのどちらの地点もシンメトリーの構図がいくつもある。計算するにも気が遠くなる作業ですね。これを100分の映画で、、、恐れ入ります。

でも、笑いが中途半端な映画はあまり好きじゃないです笑
RYUYA

RYUYA