めめめのめーさん

グランド・ブダペスト・ホテルのめめめのめーさんのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

すごくおもしろかった!
説明し難いおもしろさだった。映像とテンポのいいセリフと映画全体の雰囲気があってはじめて伝わるおもしろさというか…。
でもあえて説明するなら、冒頭で小説家のおじいちゃんをおもちゃの銃で打った少年が、直後にそっとすりよってきて小声で謝るところとか、「愛すべきジャンの前任者について〜」っていうセリフのときにジャンがちらっと画面の端に映るところとか、用事を命じられたゼロが何度も小銭を取ろうとするところとか、文字にするとなんのこっちゃ?というようなことなんだけど、シュールで大好きなおもしろさだった。

会話の言い回しが海外の古典ミステリの翻訳みたいで、それも大好きなので見ていてすごく癒された。とにかくすごく癒される映画だった。

グスタヴさんのキャラクターも、綺麗な色の映像も、シュールなやりとりも、唐突に挟まれるドキッとするシーンも、なんだか全部ふわふわしててファンタジーというか詩のようだった。
全体を掴めるような掴み難いような、心地よくなんとなくわかった気になれる説明しがたい癒し映画でした。
映画館で観たかったな〜。

内容とはあんまり関係ないけど、グスタヴさんやゼロやコヴァックスが自分の仕事に誇りを持ってるのもよかった。あんな風に自分の仕事に拘りや誇りを持って働けるのはかっこいいなぁと思いました。

エンドロールで踊ってたちっこいのはなんなのかな。ああいうのも好き。メンドルのケーキを囚人さんたちがおいしそうに食べるシーンも好き。パステルカラーの不思議な形のケーキがすっと切れる音と、大きな手が乱暴に小さなふわふわのケーキを瞬時に取っていく感じが好き。