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グランド・ブダペスト・ホテルのkiritoのレビュー・感想・評価

3.5
【ようこそ!グランドブダペストホテルへ】

休養のためホテルで過ごしていた作家は不思議な空気を持つ老人とひょんなことから夕食を共にすることになり、彼の人生を聞くことになって……

なんていう世界観。
圧倒的なセンス。こういうセンスは私には微塵もありません笑
以下の文章からも明らかですw
そんな不思議な空間にこの監督は連れて行ってくれました。

面白いなと思ったのはこの物語は回想シーンの中の人の回想シーンであるということ。
冒頭ある女性が墓地にきて作家さんのモニュメントの前で本をみる。本には写真が貼ってあって映像は写真に入り込む。そこで晩年の作家さんが『実はこういう話があって…』と画面に向かってしゃべって回想シーンにつながる(回想シーン1)。
そして、この作家さんが老人とディナーしてる時に老人が『私がなぜオーナーなのかというと……』で回想シーンにいく(回想シーン2)。
物語の大半はこの回想シーン2で行われることになる。
うむ。文章にするとまったく意味が伝わらないw
しかし、この構成がなんだか斬新だった。この手法を取っていることにより作家もオーナーも俳優をそれぞれ2人ずつ使うことになる。例えば、晩年の作家役をトムウィルキンソンが演じ回想シーン中の作家をジュードロウが演じているのである。(これが俳優陣が豪華な理由でもある。)

また、この映画は本の章のようにチャプター毎に題名が表示されるのだが、これがまさに本を映像化したかのように思える。

極め付けは装飾品。かなりこだわってることをうかがわせる品が沢山。
これはアカデミー賞でメイク、美術、衣装部門をそれぞれ制覇してることからも明らかでしょう。
音楽もとてもかわいい!説明できないけどwこれも作曲賞受賞してますね。

結局話の筋はコンシェルジュと使用人の師弟愛的な何かに集約される。(この関係性の説明もまた一筋縄ではいかないので詳しくは見てみてください笑)
この話の軸に装飾品が華々しく飾りをつけたようなそんな感じ。

うーん。
ここまで言いたいことが伝わらなそうなレビューも初めてT_T
文章のセンスのなさに愕然笑
とにかく約100分がなかなか濃厚でした。

アクションやSF、サスペンスに飽きたなーと思った時は是非この『グランドブダペストホテル』へお立ち寄りくださいませ。
2015.8.29
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