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おじいちゃんの里帰りのchipのネタバレレビュー・内容・結末

おじいちゃんの里帰り(2011年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

戦争で大勢の犠牲者を出して労働者不足だった1960年代のドイツ。トルコからたくさんのゲスト労働者を呼びました。これはその100万1人目のトルコ人フセインの物語。


45年の時が経ち…
4人の子たちは家庭を持ち、フセインもおじいちゃんになっていて。
妻のたっての希望でドイツに帰化することになるが…

家族に仕送りするために、見知らぬ国で一生懸命働いた彼、家族からの手紙を顔をほころばせて読むシーンに、ほっこりしました。
後に妻と子たちもドイツに行くことになり…
出発のとき、近所の人たちは、水をまいて送り出します。その意味は、
「誰かが長旅に出るときは後に水をまく
水の流れの早さと同じくらい早く戻れるように」
なるほど~

せっかくドイツ人になったのに、トルコに家を買ったから、と、おじいちゃん。家族9人でトルコへ…

おじいちゃんが孫娘に言うことば
「人生最大の試験は、何が重要か見極めること」
大学の試験より、家族が大事だと…
そうなんだね。

写真を撮るとき、身なりを気にするおばあちゃんにも
「それ以上美人だったら、すぐ誘拐されちゃう」と。
なんてイキなおじいちゃん♡

トルコの床屋さんで、孫とダンスするおじいちゃんは、とても楽しそうでした、ここもいいシーン♡

普段仲が悪い長男と次男。
幼い頃と同じように、ベッドで毛布を引っ張り合うシーンにもほっこりでした。
そして…ラストの次男の決意には、なんかうれしくなりました、ずっとドイツで便利な暮らししてても、流れる血はトルコ人なんだな、って。

彼らのバスが出発したとき、また水をまいた近所の人たちでした。

孫が窓の外に見た、じいちゃんと、ばぁちゃんの若い日、
見えたんでしょうね、小さな孫のくるりとした瞳からは。。

移民問題を扱いながらも、とてもわかりやすくあったかい作品。
大切に胸に留めておきたい。。
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