イチロヲ

プライベート・レッスンのイチロヲのレビュー・感想・評価

プライベート・レッスン(1981年製作の映画)
3.0
富裕層の父子家庭で暮らしている少年が、父の長期出張を契機にして、新任の美しいメイド(シルビア・クリステル)との交流を深めていく。「エマニエル夫人」のシルビア・クリステルがハリウッド進出を果たしている、筆下ろし系青春ドラマ。

年配者ばかりの邸宅に若いメイドが招聘されてきたのを受けて、15歳の多感な少年が「ひとつ屋根の下に魅惑的な女がいる!」と浮かれ立ってしまう。足が地に着かない心境を様々なヒット曲に乗せて描いていく手法が、清々しくもあり、むず痒くもあり。

個人的には両者を安易に接触させず、焦らしプレイを見せて欲しかったが、メイドが童貞君のガラスの心を相手にして、悪戦苦闘するというモチーフが、あまりにも面白い。童貞君(演者はリアル童貞?)の挙動不審な芝居もまた素晴らしい。

後半部に入ると、「なぜメイドは少年を誘惑するのか?」の謎解きが始まり、サスペンス調へと急展開を見せる。少年にとっては、まさにトラウマ級の筆下ろし。メイドのせいで、特殊な性的嗜好をもった大人になってしまうのではなかろうか。
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