ドストエフスキー原作の世界観を黒澤明監督が描く。
セリフが一言一言重く、確かにドストエフスキーの小説を読んでいるよう。
昭和20年代の札幌が舞台、当時は馬車が走り、建物も木造が多い。
ムソグルスキーの禿山の一夜をバックに氷上カーニバルなど当時の風俗も描く。
現在残るこの作品も十分に長尺であるが、最初は4時間もあつたそうで、編集されて分かりにくい場面もあつたので、未発見のフルバージョンを見たいもの。
最近ではあまりお目にかかることのない昭和20年代の北海道という舞台、ストーリーは少し詰め込み過ぎでも、新鮮に感じる。
原節子は、東京物語を先に見たので、芸の幅が広く感じる。
久しぶりにドストエフスキーの小説を読みたくなった。