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白痴のyoko45のレビュー・感想・評価

白痴(1951年製作の映画)
5.0
亀田欽司(森雅之)
赤間伝吉(三船敏郎)
那須妙子(原節子)
大野綾子(久我美子)

原作ドストエフスキー「白痴」
 もし、人の気持ちや痛みを自分の事のように感じて真実を見抜いてしまう人間が現われたら・・純真無垢な人間がもたらす波乱、影響を受けて心が大きく揺れる男女を描いた作品です。
 舞台は札幌、白い雪、黒い闇、画の寒くて重苦しい雰囲気に加えて、男女4人の目と表情でさらに緊張感が増します。終盤に4人が一つの部屋に集まった場面は・・凍りつきました、息がつまりました、しびれました。
 友情、殺意、無償の愛、偽りの愛、あわれむこと、誇りを取り戻すこと、信じること、疑うこと、身を引くこと、嫉妬すること、精神が壊れること・・自他の境がない広い愛を持つ純真無垢な善人がもたらしたものは、とてつもない愛憎劇でした。

(亀田欽司)
戦犯として死刑の宣告をされるも銃殺刑を免れるが、そのショックで精神病を患う。その病は性格に変化をもたらしたのか、人の目を真っ直ぐ見つめることのできる純真さを持つ。
(赤間伝吉)
大金持ちの家の息子、妙子をお金で買おうとするなど野蛮な性格。青函連絡船の中で亀田に出会う。親友のようになるが、やがて妙子を巡り対立。
(那須妙子)
政治家の愛人。自分を大切にするよう亀田から諭され心をうたれるが、自ら亀田を遠ざけて赤間と結婚しようとする。
(大野綾子)
裕福な家のお嬢様、勝ち気な性格。亀田の並外れた純真さに心をうたれ亀田と婚約するも、亀田が常に妙子に気を配っているのが気になる。
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