じぇいらふ

熱き夜の疼き/クラッシュ・バイ・ナイトのじぇいらふのレビュー・感想・評価

4.3
🧐フリッツ・ラング監督作品観まくるシリーズ🎥

『クラッシュ・バイ・ナイト』言葉の響きはかっこいい犯罪モノぽいけど、バーバラ・スタンウィック主演の不倫メロドラマです😆
邦題は『熱い夜の疼き』ってなんだかにっかつロマンポルノぽい笑。フリッツ・ラング観続けて、こんな純然たるメロドラマって初めてじゃないかしら?いやでも凄い面白かった👍👍👍👍

漁業盛んな港町。家を出て行ったメイが10年ぶりに帰ってきた。心身共に疲れたメイは、純粋で優しい港の漁船の頭領ジェリーと知り合う。そこにジェリーの友人でジェリーとは性格が正反対の奔放な男アールが現れる。ジェリーと結婚し子供も産まれたメイの心は揺れ動く。。。

温和でやさしい夫と、だらしないが刺激的な男性との間で揺れてしまう人妻という、ストーリー的には典型的な不倫ドラマだが、主人公メイがそもそも安定的な世界に居続ける自信がない、刺激を求めてしまう性格であるが為に結婚をためらっていたが、今度こそ変わる為に結婚に踏み切ったという悩ましい性格の人物をバーバラ・スタンウィックが見事に演じております。平凡な良い人妻が悪い男に転ぶ話だとよくあるけど、元々貞淑でない人物が貞淑になろうとして上手くいかないところが彼女らしくていいです。

『熱い夜の疼き』とは、ストーリーのターニングポイントとなる海辺の熱い夜の日の事。メイが「暑い、暑い、、」と言うところが、まるである種の発作が出始めてるみたいでいいですね。

この作品、ブレイク前のマリリン・モンローがメイの弟の彼女役で出ていて、思わぬ二大女優共演ですが、当時はまだまだ駆け出しであんまし上手く行かなかったらしい笑。服が似合うと踊ったり、水着ではしゃぐシーンとか、ここら辺で注目された感じがありますね。

演出的には、最初のバーバラ・スタンウィックが登場する場面がいいです。颯爽と少し寂しげな登場。横移動。
夕日の海辺を眺めるメイとアールの今後を予兆させる感じ。ここで流れる歌曲😆👍✨
不倫がバレるところ。香水。目覚まし時計の音のサスペンス。
悩めるジェリーを煽って焚きつけるダメ叔父(この人ホントダメ男笑)とか、得意の犯罪映画っぽいシーン。フリッツ・ラングの演出の良さは犯罪映画以外だと、西部劇よりメロドラマの方が上手く作用する気がします。メロドラマは犯罪モノと相性がいい⁉️😆

これ舞台劇の映画化らしく、演劇っぽい互いに思いを結構ぶつけ合ってて、互いの寂しい思いとか、悔しさとか、わかりやすくていいです。元々の戯曲が良く出来てる感じ。この話の行方はどうなるのか?、、、と結構最後まで惹きつけられます。

最近、邦画で夫婦の危機話をよく観ますが(濱口監督系列笑)、日本人だと妻に言われて夫大体黙ってショックって展開が多い中、メイの弟で、マリリン・モンローの旦那が、「結婚は、気に入らなきゃ交換できる服じゃない!」って言う所かっこいいすね笑。

あとヤバいシーン、中○人のモノマネ😅あれ今なら完全アウト🙅‍♀️笑時代ですなあ。