Yui

ミケランジェロ・プロジェクトのYuiのネタバレレビュー・内容・結末

3.2

このレビューはネタバレを含みます

第二次世界大戦下、美術品のために命を懸けて戦った人たちがいるという事実は一般的には知られた事実ではない。
そんな事実を、実話に基づく話として映画で扱うことはとても意義のあることだと思った。

映画の内容としてはそんな人々の美術品に対する熱意や執着、想いというのはあまり描いていなかったと感じた。
美術品に対する情熱というよりも、仲間への信頼や絆といった、チームワークの話がメイン。

でもそれだけでは、せっかくのテーマなのに物足りないのではないかと思う。

冒頭、軍の上層部に古い城や像が破壊されている写真を見せながら説明しているシーンで、城が破壊された写真を見て「取り返しの付かないこと」という焦りというか、居ても立っても居られないような気持ちになった。
私でもそうなのに、モニュメント・メンたちは、そんな私の何十倍、何百倍という焦燥感ややり切れない気持ちがあったのではないか。
そんな、彼らの心情や美術品に対する情熱などもきっと並々ならずあったはず。
そんなところも、もっと彼らを丁寧に研究してほしかった。

仲間と力を合わせ、仲間の死や困難を乗り越えながらも達成するチームの話で終わらず、歴史的事実を描くのであれば、その裏側にどんな想いや気持ちがあったのかも、もっと深く描いてほしかった。
Yui

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